マイスターエンジニアリンググループ、生成AIエージェントサービス「Lightblue」を導入
現場主導のAI活用を推進、約200名規模で本格運用開始。順次グループ全体へ展開予定 東京大学発のAIスタートアップ・株式会社Lig...
生成AIを「導入して終わり」にしないための、実践型イベント
Lightblue Boot Camp in 鎌倉
企業で生成AIの導入が進む一方、多くの現場では「使われない」「業務に組み込まれない」「個人利用にとどまる」という課題に向き合う場として2026年3月6日〜7日に神奈川県鎌倉市・鎌倉プリンスホテルで開催されたLightblue主催のイベントです。参加企業は16社24名。製造業を中心に多様な業種のAI推進担当者が集まり、それぞれの課題と向き合いました。本記事では生成AI活用を推進するコニカミノルタ株式会社様によるセッション内容をお届けします。
コニカミノルタ株式会社様(以下、コニカミノルタ)では、設計・開発業務に特化したAI活用を進めています。特徴的なのは、ウォーターフォール型の品質管理プロセスをAI開発に適用し、RAGアシスタントにおいて正答率90%以上を実現している点です。精度と信頼を前提にAIを業務へ組み込むこのアプローチは、製造業を中心に「間違えられない業務」でのAI導入における重要な示唆を含んでいます。

設計・開発業務では、仕様書、設計標準、評価基準など、多岐にわたる文書を参照する必要があります。これらの情報は複数のドキュメントに分散しており、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかることが課題でした。また、設計プロセスの各フェーズごとに必要な情報が異なるため、単一の検索ではなく、文脈に応じた情報アクセスが求められていました。
この課題に対してコニカミノルタでは、設計プロセスに対応した複数のRAGアシスタントを構築しました。代表的なものとして、仕様書検索、設計標準検索、評価基準検索、再発防止情報などがあり、合計で8種類のアシスタントが開発されています。
それぞれのアシスタントは特定の業務フェーズに最適化されており、担当者は作業の流れの中で必要な情報に直接アクセスできるようになりました。単一の汎用AIではなく、業務ごとに分解された構造が、使いやすさと精度の両立につながっています。
本事例の最大の特徴は、ウォーターフォール型の開発プロセスをAIに適用している点です。一般的なAI活用では「まず使ってみる」アプローチが取られることが多い中で、コニカミノルタは品質を担保するための工程を明確に定義しました。
具体的には、対象文書の選定から始まり、Q&Aデータの生成、プレテストによる検証、本格的な精度評価という段階を踏んで開発が進められています。このプロセスにより、AIの回答精度を定量的に測定しながら改善を繰り返すことが可能となりました。
その結果、RAGアシスタントは正答率90%以上を達成しています。
AI導入においては、初期の品質がその後の活用を大きく左右します。コニカミノルタでは、導入初期から一定以上の精度を担保することを重視しました。
AIが不正確な回答を繰り返すと、現場の信頼は失われます。一度失った信頼を回復することは難しく、結果としてAIが使われなくなるリスクがあります。そのため、スピードよりも品質を優先し、初期段階での精度担保に時間を投資する判断がなされました。
ウォーターフォール型の開発プロセスは、この品質を可視化し、社内の関係者に対して説明責任を果たす上でも有効に機能しています。
この事例が示しているのは、AI活用を単なるツール導入ではなく「エンジニアリングの対象」として捉える重要性です。業務プロセスを分解し、必要な情報を整理し、精度を検証しながら段階的に導入していく。このプロセスを経ることで、AIは初めて業務に組み込まれます。
特に設計業務のように専門性が高く、誤りが許されない領域においては、このようなアプローチが不可欠です。コニカミノルタの取り組みは、RAGを活用した業務支援の実装モデルとして、多くの企業にとって参考になる事例といえるでしょう。
【レポート】Lightblue Boot Camp in 鎌倉
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