エクセディ、AIエージェント「Lightblue」を全社500ID規模で本格展開 〜基幹事業の「稼ぐ力」を磨き、その力を新事業創出へ〜
部門横断の推進体制が始動し、営業・生産技術・品質保証など全部門でAI活用が本格化。従業員一人ひとりが「本来やるべき仕事」に集中でき...
大日コンサルタント株式会社 西日本支社技術部 若山様
第3回アシスタントコンテスト 大阪会場 優勝インタビュー
― CAD図面上の400箇所を、ひとつひとつ確認して手入力する。
大日コンサルタント株式会社(以下、大日コンサルタント)の若山様が向き合っていたのは、そうした地道で時間のかかる作業でした。
測量データから座標を読み取り、CAD上に図化する作業では、1枚の図面に4時間かかることもあったといいます。面積計算にも1図面あたり20分ほどかかっていました。
こうした作業を、プログラミング未経験の技術者がAIアシスタントを使って自動化した事例があります。
Lightblueが開催する「アシスタントコンテスト」で、大阪会場の優勝事例に選ばれた大日コンサルタントの取り組みです。
本記事では、若山様へのインタビューをもとに、CAD作業の自動化と、その成果を社内に広げるための工夫を紹介します。
目次

Lightblueが主催するアシスタントコンテストは、企業の担当者が自ら開発したAIアシスタントを発表し、業務活用の実践事例を共有するイベントです。
第3回となる今回は、東京・大阪の2会場で開催され、計15社・55名以上が参加しました。大阪会場には、製造業・食品メーカーなど多様な業種から担当者が集まり、それぞれが開発したアシスタントをプレゼンテーション形式で発表しました。
若山様の発表が大阪会場で優勝に選ばれた背景には、単なる業務効率化にとどまらず、「個人の改善を組織全体へ波及させる仕組み」まで設計したことへの評価がありました。
大日コンサルタントの技術系部署では、AutoCADを使った図面作業を日常的に行っています。AutoCADは、土木・建築分野で広く使われるCADソフトです。
課題になっていたのは、設計そのものではありませんでした。誰がやっても同じ結果になるはずの単純作業に、技術者の時間が費やされていることでした。
具体的には、以下のような作業です。
若山様は、当時の状況について次のように振り返ります。
「単純作業に時間をかけることが多かった。その時間を本来の仕事に充てられれば、と思っていました」
変化の発端は、同じ部署のメンバーが社内のAutoCAD講習会でAutoLISPという技術の存在を知ったことでした。
AutoLISPとは、AutoCADに組み込まれたプログラミング言語で、作図や修正などのCAD操作を自動化できます。
まずは、そのメンバーが講習会で得た知識をもとに、最初のLISP生成・解説AIアシスタントを作成しました。それを引き継ぎ、より実用的な形にブラッシュアップしたのが若山様です。
ここで印象的なのは、西日本支社技術部にはプログラミングを専門とした技術者はいないことです。プログラミング未経験でありながら、AIアシスタントを使ってLISPコードを生成・修正し、自動化の仕組みを構築しました。
この際にとったアプローチは、コードを一から自分で書くのではなく、AIにコードを書かせ、動作を確認しながら改善していくというものでした。
実際の流れは、次のようなものです。
すべてのコードを一から書けなくても、動作を確認しながらAIに修正内容を伝えることで、現場で使える形に近づけていくことができます。
これはLightblueが掲げる「市民開発」、つまり専門知識がなくてもAIアシスタントを構築できるという考え方の実践でもあります。

完成した仕組みの効果は、作業ごとに明確に現れました。
| 作業 | 改善前 | 改善後 |
| 座標データの図化 | 1枚あたり最大4時間 | 自動処理。数分以内で完了 |
| 数量カウント | 400箇所を手動入力 | クリックひとつで完了 |
| 面積計算 | 1図面あたり20分 | ワンクリックで完結 |
手入力に伴うミスのリスクも抑えられ、技術者が本来の判断業務に集中できる時間が大幅に増えました。

このアシスタントが高く評価されたのは、業務効率化だけではありません。完成したLISPプログラムを社内で共有しやすくする機能を、アシスタントに組み込んだことも大きなポイントでした。
アシスタントはLISPコードを出力するだけでなく、次のように促します。
「便利なLISPが作成できましたか?ぜひ社内で共有してください」
さらに、そのまま社内ナレッジ共有プラットフォーム「D-ナレッジ」に貼り付けられるHTML形式でも出力できます。コピー&ペーストだけで共有投稿が完成する設計です。
この工夫によって、作成したLISPを社内に共有する流れが生まれました。D-ナレッジ上のLISP関連投稿は、アシスタントの活用が広がるにつれて15件ほどに増加しました。
個人の業務改善がチームの資産となり、さらに別の担当者の改善を促す連鎖が生まれています。

今後について、若山様は「ExcelのVBAやQGISのPythonでも同様の自動化を展開したい」と語ります。
CADに限らず、日常業務で使われるExcelやGISにも同じ発想を持ち込むという展開です。
この発言から見えてくるのは、自動化が一度きりの改善ではなく、日々の業務を見直す習慣になりつつあることです。LISPもVBAもPythonも、あくまで手段に過ぎません。
「単純作業に時間を使わない」という問い立てと、「AIにコードを書かせ、自分で動作を確認する」というサイクル。その組み合わせが、今回の自動化を支えていました。
この事例が示しているのは、AI活用の出発点が必ずしも高度な専門知識である必要はない、ということです。
日々の業務の中で「この作業はもっと楽にできないか」と気づき、試し、改善する。その小さな実践が、CAD作業の自動化から社内共有の文化づくりへと広がっていきました。
※本記事は第3回アシスタントコンテスト 大阪会場の優勝者インタビューをもとに構成しています。