マイスターエンジニアリンググループ、生成AIエージェントサービス「Lightblue」を導入
現場主導のAI活用を推進、約200名規模で本格運用開始。順次グループ全体へ展開予定 東京大学発のAIスタートアップ・株式会社Lig...
生成AIを「導入して終わり」にしないための、実践型イベント
Lightblue Boot Camp in 鎌倉
企業で生成AIの導入が進む一方、多くの現場では「使われない」「業務に組み込まれない」「個人利用にとどまる」という課題に向き合う場として2026年3月6日〜7日に神奈川県鎌倉市・鎌倉プリンスホテルで開催されたLightblue主催のイベントです。参加企業は16社24名。製造業を中心に多様な業種のAI推進担当者が集まり、それぞれの課題と向き合いました。本記事では生成AI活用を推進するオムロンヘルスケア株式会社様によるセッション内容をお届けします。
オムロンヘルスケア株式会社様(以下、オムロンヘルスケア)では、生成AIの全社展開において高い成果を上げています。アカウント登録率91.5%、月間利用率72.4%、社内アシスタント数は約1,500。導入からわずか半年で利用者数が約5倍に拡大しました。多くの企業が「導入はしたが使われない」という課題に直面する中で、なぜここまで定着が進んだのか。その背景には、ツール導入だけではなく、組織全体を巻き込むための明確な仕組みがありました。

オムロンヘルスケアの取り組みは、まずその数値のインパクトが際立っています。
・アカウント登録率:91.5%
・月間利用率:72.4%
・社内AIアシスタント数:約1,500
導入後にここまで利用率を引き上げることは容易ではありません。単にツールを導入しただけでは、この水準には到達しないことは多くの企業が実感している通りです。これらの数値は、AIが一部の先進的な社員だけでなく、組織全体に浸透していることを示しています。
この成果を支えているのは、個別の施策ではなく、複数の要素が組み合わさった「仕組み」です。特に重要だったのが以下の5つのポイントです。
これらの施策はそれぞれ独立しているのではなく、相互に作用することで効果を発揮しています。例えば、コミュニティで共有された事例が他部門での活用を促し、それを推進担当が支援し、教育によって再現性が高まるという循環が生まれています。
オムロンヘルスケアでは、AIアシスタントが特定の業務支援ツールではなく、全社員が日常的に使う共通インフラとして機能しています。
代表的な活用例としては、議事録アシスタント、翻訳アシスタント、人事問い合わせアシスタント、社内用語集アシスタントなどがあります。これらは特定部門に閉じたツールではなく、組織全体で共有されることで価値を発揮しています。
重要なのは、「まずこれを使えば何かしら返ってくる」という共通認識が社内に形成されている点です。この状態になることで、AIは特別なツールではなく、日常業務の一部として扱われるようになります。
この事例が示している最も重要なポイントは、AI活用の成否を分けるのはツールの性能ではなく、使う文化であるという点です。
オムロンヘルスケアでは、社内コミュニティを通じて成功事例だけでなく、失敗事例も積極的に共有されました。うまくいかなかった経験を共有することで、他の社員が同じ失敗を避けられるだけでなく、「試してもいい」という心理的ハードルを下げる効果が生まれます。
AIを使うことが特別な行為ではなく、日常の業務の延長線上にある状態を作ること。この文化の醸成こそが、高い利用率を支える本質的な要因となっています。
オムロンヘルスケアの取り組みは、生成AI活用におけるひとつの到達点を示しています。アカウント配布から始まり、利用率の向上、業務への組み込み、そして全社的なインフラ化へ。このプロセスを段階的に進めることで、AIは組織の中に定着していきます。
1,500を超える社内アシスタントは、社員一人ひとりが自分の業務にAIを組み込んできた結果でもあります。これは単なるツール活用ではなく、働き方そのものの変化を意味しています。
生成AI活用は、「導入すれば終わり」ではありません。どのように使われるか、どのように広がるか、その設計こそが成果を分けます。オムロンヘルスケアの事例は、その最適解のひとつを示しているといえるでしょう。
【レポート】Lightblue Boot Camp in 鎌倉
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