「日刊工業新聞」に清水建設様でのLightblue活用事例が掲載されました
日刊工業新聞の記事「清水建設、AIを多用途で活用 アシスタント利用4000人超 効率化・ノウハウ伝承」において弊社が提供する生成A...
日本製紙株式会社様(以下、日本製紙)では、2024年度から生成AIの活用を本格的に開始しました。当初は別の生成AI基盤を250名規模で導入しましたが、運用を進める中で深刻な課題が浮き彫りになりました。そこで、2025年4月に全社展開に向けて「Lightblue」を導入。これまでの課題を乗り越え、全社の生産性向上に向けて活用を進めています。今回は、日本製紙で本プロジェクトを推進している情報システム部の半田様に、これまでの取り組みと今後の方針について詳しく伺いました。

全社展開に向けたトライアルとして、別の生成AI基盤を導入。「生成AIを導入すれば生産性が大幅に向上するはず」とプロジェクトを開始したものの、実際に導入してみると利用率は伸び悩み、想定外の壁が次々と立ちはだかりました。
結果として、ライセンスを付与した250名のうち、約100名はほとんどツールを使わず、一部のコアメンバー約50名を中心に活用されているという状況に留まりました。
半田様は「このままでは全社展開は難しい」と感じつつも、「より良いサービスがあれば活用は進むはず」という希望は捨てられず、他の生成AIツールの導入検討を始めました。その中で、2025年4月に「Lightblue」の導入を決定しました。
選定の決め手は、以前のツールが抱えていた課題をクリアできる点でした。
2025年4月の本格運用開始から数か月が経ち、ユーザーは順調に増加しており、日本製紙内での生成AI活用も着実に進んでいます。こうした状況を受け、半田様は導入時に工夫した3つのポイントを挙げています。
自発的な利用を促進するコミュニケーション:
チャットツールによる意見交換の場を設けると一部コアメンバーのハイレベルな意見に終始し、他の人が発言しにくくなる傾向がありました。今回はあえて公式な意見交換の場を設けず、現場での自然な口コミで良さが伝わるようにしました。
「何でもできる魔法の杖」ではないことを丁寧に説明:
「10年分の販売データをすべて入れたら売上傾向がわかるか?」といった過度な期待に対しては、それはBIツールなど別の専門ツールの役割であると丁寧に説明し、生成AIの得意なこと・苦手なことを正しく理解してもらうよう努めました。
段階的な導入で熱量を高める:
関心の高い部門からアプローチし、工場などまだ導入が進んでいない部門に対しては、トップダウンで押し付けるのではなく、まずはアンケートなどでニーズを把握し、関心の高い拠点からワークショップなどを開催するアプローチを計画しています。
こうした導入時の工夫もあり、社内の反応は以前の生成AI導入時とは劇的に変わったと半田様は話されます。
結果として、導入後以下のような反応・アクションが社内から得られています。
日本製紙では、今後この良い流れをさらに加速させていくために3つの取組みを推進される予定です。
工場への本格展開:
「まだ導入率の低い工場への展開が次のテーマです。製造現場では費用対効果を厳しく問われるため、「安全品質管理(過去の事故事例や災害報告書の検索)」など、コスト削減とは別の価値を提供できるテーマからアプローチし、成功事例を作っていきます。」
利用状況の見える化:
「 部署やユーザーごとの利用状況をダッシュボードで可視化する取り組みを進めています。部門ごとの特性が見えるようになることで、より効果的な働きかけに繋げていきます。」
高度な活用アイデアのプロジェクト化:
「社内で「アイデアコンテスト」を実施し、効果の高いアイデアには予算をつけてプロジェクト化することを計画しています。これにより、現場主導でより高度な活用事例を創出し、全社的な成功体験として共有していきたいと考えています。」
今回の取り組みから、生成AI導入の成否は「ツールの選定」が極めて重要であると痛感しました。特に、従業員が直感的に使えるUI、コストを気にせず試行錯誤できる料金体系、そして信頼できるRAGの精度は不可欠です。
本当に優れたツールは、トップダウンで強制せずとも、現場の口コミで自然と広がり、最終的には経営層をも動かす力を持っています。これから生成AIの導入を検討される企業様には、現場の使いやすさを第一に考え、従業員が「使いたい」と思える環境を整えることをおすすめします。
| 導入企業: | 日本製紙株式会社 |
| 導入時期: | 2025年4月 |
| 導入規模: | 1,500名(関連会社含む) |
| 課題: | 従来利用していた生成AI基盤のRAG精度の低さ コスト管理の複雑さ、ユーザビリティの問題 |
| 導入効果: | 役員レベルでの自発的利用 口コミによる自然な拡大 関連会社への波及 |
※本事例は2025年10月時点の情報に基づいています。
