過去事例をデータベース化することで世代間や事業所間でナレッジを継承。ホンダロジコムが取り組む、担当者の偏りなく改善提案ができるAIシステム活用。

ホンダロジコム株式会社様は、大手自動車会社様をはじめとする多くの荷主様の物流業務を一括して請け負い、物流アウトソーシング・物流システム開発・物流コンサルティングなどの事業領域で地域と荷主様を物流面から支える会社です。

プロジェクト概要

このたび、事業所間や世代間、担当者による改善提案の偏りを減らし、過去事例に基づいた合理的な改善によって大切なお客様に信頼いただけるようなオペレーションを目指すため、過去事例のデータベース化ならびに過去事例を検索可能なWEB上の独自チャットシステムの構築を、Appen JapanとLightblueにご依頼いただきました。システム導入に至った背景やプロジェクトの現状、今後のビジョンなどを、担当者である服部様にお話をお伺いしました。

※なお、本プロジェクトでは、Appen Japan株式会社様が、「AIプロジェクト立ち上げ」「教師データ、アノテーションの提供」などにおいてホンダロジコム様の支援を行っております。

倉庫内の改善事例を検索可能なシステム導入の検討を開始した背景を教えて下さい。

元々現場から、倉庫内の業務改善について、まだ過去事例を把握しきれていない若手が「何をすれば良いかわからない」「新しい業務改善提案が思い付かない」といった声が上がっていました。であれば改善提案のヒントになるようなシステムがあればいいなと考えていたのが検討を開始した背景でした。

現場からの声を反映されたとのことですが、ベテランが「若手がどうやら困っている」と認知してトップダウン的に始まったプロジェクトだったのでしょうか?

はい、会社としては収益性やスピードも求められる中、管理者目線で、若手の教育に危機感を持ち検討を進めたプロジェクトでした。

世代間でのナレッジの継承については、WEB上でなくとも紙媒体などアナログな方法も含めて色々あると思いますが、その中でなぜ、デジタルの検索チャットシステム導入を判断いただいたのでしょうか?

一つは内閣府をはじめとした多くの自治体が推進するEBPM(政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで過去の統計データなどの合理的根拠に基づく立案手法)に着想を得たためです。過去事例がしっかりデータベース化され、若手層にもこのデータベースを有効活用できる仕組みが必要だと考えました。二つ目は、場所が違う事業所間でナレッジを共有できる媒体としてデータベースやチャットシステムを持つことで、事業所が違っても同じ認識の上に成り立つ改善提案が可能だと考えたためです。言語化しづらいナレッジの継承という観点では、OJTなどの教育プログラムの実施なども有効な手段だと思いますので、データベース化によるナレッジ継承というデジタル施策とのハイブリッドで推進していきたいと考えています。

いざ検索チャットシステムの導入を検討するにあたって多くの提案があったかと思いますが、その中でなぜAppen JapanとLightblueの提案を選択いただいたのでしょうか?

生成AIの実装というなかなか理解が難しい領域のことだったが、デモを見せて頂きながらシステムのイメージを掴めたことや、専門的になりすぎず分かりやすい言語で提案及びシステムの説明をしてくれたことが決め手です。

データベース化を進めるにあたっての課題や悩みはありますでしょうか?

ナレッジや過去事例を資料に落とし込んで蓄積することが難しい事業所も一部あり、そのような事務所に時間をかけて資料作成をお願いしていくことは、目前の業務が当然優先されるためなかなか難しいです。そのためそのような事業所に対し、写真で簡単にデータ読み込みができる仕組みなど、より簡単にデータの作成ができる方法を考えていきたいと考えています。

今後のプロジェクトの展望や、今回導入されたシステムをどう活用していきたいかについて教えてください。

できれば現場にはYahooなどの検索エンジンを開くような感覚でヘビーユースして欲しいと思います。そのためにまず、パイロットプロジェクトとして特定の事業所で成功事例・モデルケースを作りたいと考えています。最終的には、事業所間で活用方法を真似るだけではなく、それぞれの現場で異なるナレッジや過去事例があるはずなので、この現場ごとの独自データに基づいた使い方で、多様な成功事例・モデルケースをつくっていき、活用していきたいです。

また、社内や倉庫間だけでなく、当社取引先である荷主様などにも本プロジェクトを認知いただき、改善を評価いただくことで、そういったお客様との信頼関係の深化にも資すると考えています。

一方で、プロジェクトの定量的な効果測定は難しい部分がありますので、現場には使い倒してもらいつつ、管理者側としては現場の声をよくヒアリングし、有効活用に向け定性的な評価も大事にしていきたいです。

いずれにせよ、本プロジェクトは導入こそ進められたものの、プロジェクトの会社横断的な展開はこれからですので、今後、社内の物流センターや事業所での有効活用を目指し、活動を進めたいと考えています。

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