生成AIの企業導入が進む一方で、多くの企業が直面しているのが「活用が定着しない」という課題です。
ツールは導入したものの、
- 現場で使われない
- 業務に組み込まれない
- 個人利用にとどまる
こうした壁をどう越えるのか。
この課題に向き合う実践型イベントとして開催されたのが、「Lighblue Boot Camp in 鎌倉」です。
本記事では、2026年3月6日〜7日の2日間にわたって神奈川県鎌倉市・鎌倉プリンスホテルにて開催されたBoot Campの内容をもとに、企業における生成AI活用の“次のフェーズ”をレポートします。

Lightblue Boot Camp in 鎌倉とは
本イベントは、企業の生成AI推進担当者を対象に、AIを「導入」から「業務に定着させる」ための実践的なプログラムとして企画されました。
会場となったのは、七里ヶ浜の海を望む鎌倉プリンスホテル。合宿形式での開催により、企業の垣根を越えた議論と実践的な学びの場が提供されました。
参加企業は16社24名。 製造業を中心に、以下のような企業が参加しています。
- 日立建機
- コニカミノルタ
- 三機工業
- オムロンヘルスケア
- 花王
- JR西日本 など(敬称略)
多様な業種のAI推進担当者が集まり、それぞれの課題と向き合いました。

なぜAI活用は「定着」が難しいのか
生成AIの導入は、すでに多くの企業で進んでいます。
しかし、その先の「定着」に課題を抱える企業は少なくありません。
典型的な問題は以下です。
- 社員が使いこなせない
- 業務プロセスに組み込まれない
- 個人レベルの利用にとどまる
つまり、AIが「ツール」で止まってしまい、 業務の一部として機能していない状態です。
そこで本Boot Campでは、「単発のプロンプト利用ではなく業務プロセスに組み込まれたAIアシスタントの構築を」をテーマに、実際に手を動かしながら学ぶプログラムが設計されました。
Day1:AIトレンドと企業事例から学ぶ
初日は、AIトレンドと企業の実践事例を軸としたセッションが行われました。
AIトレンドセッションでは、生成AI普及協会協議員の小澤健祐氏(おざけん氏)が登壇。
現在のAI活用の変化について、次のように語りました。
「プロンプトの時代」から「コンテキストの時代」へ
従来のAI活用は、いわゆるプロンプトエンジニアリングが中心でした。
しかし今後は、コンテキストエンジニアリングが重要になるといいます。
AIに与えるべき情報は以下の4つです。
- 前提情報(企業の戦略・ルール)
- システムプロンプト
- 長期記憶(履歴)
- 外部情報
これらを組み込むことで、AIは単なるチャットツールではなく、業務を担うアシスタントへと進化すると説明されました。
AIエージェントは「車」と「電車」
AIの設計については、「車」と「電車」という比喩が用いられました。
- 車:柔軟だが再現性が低い
- 電車:ワークフロー型で再現性が高い
企業の業務で求められるのは、後者の再現性のあるワークフロー型AIです。
企業事例に見る「定着」のリアル
続くセッションでは、4社の事例が紹介されました。
- 日立建機:問い合わせ対応をAIで効率化(検索時間70%短縮)
- コニカミノルタ:RAGで正答率90%を実現
- 三機工業:導入後の利用率低迷とその打開策
- オムロンヘルスケア:全社利用率72%を達成
いずれも共通しているのは、AIを「業務の中に組み込む」ことが成果につながっているという点です。

Day2:AIアシスタント構築ワークショップ
2日目は、実際にAIアシスタントを設計・実装するワークショップが行われました。参加者は、自社業務を題材に以下のプロセスを体験。
- 業務整理
- 業務再定義
- アシスタント設計
- アシスタント実装
単なるツールの使い方ではなく、業務そのものを再設計するプロセスを実践的に学ぶ構成をご用意しました。


合宿形式が生む「共創」
本イベントの特徴の一つが、合宿形式であることです。夜の懇親会では、企業の垣根を越えた議論が行われ、
- AI導入の課題
- セキュリティの考え方
- 社内展開の方法
などについてリアルな情報交換が行われました。
参加者からは「定着に悩んでいるのは自社だけではないと分かり安心した」という声も聞かれました。
会議室では得られない、 率直な議論と共創の場が生まれていたのが印象的です。

生成AI活用は次のフェーズへ
今回のBoot Campを通じて明確になったのは、生成AI活用は「導入」から「定着」へ移行しているということです。
これからのAI活用において重要なのは
- 業務フローへの組み込み
- AIエージェントの設計
- 組織的な推進体制
です。
生成AIは単なる便利ツールではなく、企業の業務プロセスを再定義する基盤へと進化しています。本Boot Campは、その変化を象徴する取り組みとなりました。
【レポート】生成AI Boot Camp in 鎌倉
▶ 生成AI活用を「導入」から「定着」へ — Lightblue Boot Camp in 鎌倉 開催レポート
▶ 「プロンプトの時代は終わる」AIエージェント時代の業務改革とは
▶ 生成AIで技術問い合わせ対応を革新 — 日立建機のAI活用事例
▶ 生成AI導入の「踊り場」をどう越えるか — 三機工業のAI活用
▶ 全社利用率72% — オムロンヘルスケアのAI推進戦略
▶RAG正答率90%を実現 コニカミノルタの生成AI活用
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