皆さんは、駅で大変な思いをした経験はおありですか?
最近では、車椅子生活をしている方が、駅で合理的な配慮を受けられなかったと主張した記事が話題になる等、社会におけるバリアフリーのあり方は注目度を増してきています。駅においてもバリアフリー化が進んできたように見られますが、実際のところ利用者はどのように感じているのでしょうか?
調査期間 :2021年6月4日
調査方法 :webアンケート
調査参加者:合計 200人(男性58人 女性142人)
ベビーカー利用経験者172人 車椅子利用経験者21人 ベビーカー・車椅子利用経験者7人
こちらは、男性女性関係なしに東京駅がトップとなりました。東京駅は、東京オリンピック・パラリンピックに見据えて、段差や隙間などが整備された駅であり、その点が評価されたのかもしれません。
ベビーカー・車椅子を駅で利用するときに「便利だ」と感じた駅ランキングで男女ともに1位である東京駅は、「不便だ」と感じた駅ランキングの女性部門で2位となっています。駅の中でも便利だと感じる部分と不便だと感じる部分が入り混ざっている結果であると考えられます。
ベビーカー・車椅子を駅で利用するときに、約3割の人が最寄り駅を便利だと感じ、約7割の人が不便だと感じていました。
興味深いのは、新宿駅が「最寄り駅として便利な駅」と思われる一方で、「最寄り駅として不便な駅」とも思われているということです。
新宿駅のように敷地の大きな駅や路線の多い駅ほど、エレベーターや広めの改札口が整備されている印象はありますが、最寄り改札口から電車乗車口までの距離が長いなどの不便さは付き物であることから、このような結果になったのかもしれません。
駅でベビーカー・車椅子を利用していて大変な思いをしたことがありますか?
ある 91.5% ない 8.5%
駅でベビーカー・車椅子を利用していて困ったこと・大変だったこと
案内が見当たらない・エレベーターの場所がわからないということから、車椅子やベビーカー利用者にとって不便に感じる点が多いようです。また、どこにフリースペース車両(座席を設置していないスペースを設けている車両)があるかわからない・駅係員がいないという点からも、車椅子やベビーカー利用者にとってあまり優しくない駅環境となっているようです。
駅係員に手助けしてもらった経験はありますか?
ある 22.5% ない 77.5%
駅員による手助けを頼まなかった理由は何ですか?
ベビーカー・車椅子を利用している人が駅員に手助けを頼まない理由として、「声をかけづらいから」という理由が1位となりました。駅員に手助けを求めるという行動は、心理的ハードルが高いといえます。
鉄道会社では、からだの不自由な方の駅や列車の利用方法や、バリアフリー設備などについて案内が公開されているため、ベビーカー・車椅子を利用者はそのような情報にアクセスしてみるのもよいかもしれません。
また、駅だけではなく公共施設全般に言えることですが、係員の方が、カメラ等を用いてベビーカー・車椅子を利用している人にすぐに気付けるようなITの力も重要であると考えています。
今度は切り口を変えて、最寄り駅がベビーカー・車椅子利用で便利かどうかを、エリア別に見てみました。都心や都心近郊の駅周辺に住んでいるベビーカー・車椅子利用経験のある方は、3〜4割の人が満足しているように見えますが、郊外に住んでいる人は、最寄り駅への満足度がすこし低いようです。
大きな駅の方が、やはりベビーカー・車椅子利用者には優しいということなのでしょうか?
さらに、エリア別の駅で、駅員さんに助けてもらったことがあるかどうかも見てみました。郊外の駅の方が、助けてもらった経験のある人は少ないようです。郊外となると、都心や都市近郊に比べ、無人駅が多いために、手助けしてくれる係員の方自体がいない可能性も高いです。
いかがでしたでしょうか?
ベビーカー・車椅子のアンケートデータはまだまだあるので、これからも分析して紹介していきたいと思います。
私たちLightblue Technologyは、工場・建設現場だけでなく、公共施設内の困っている人を発見しスタッフに伝える画像解析AI事業を行っています。エレベーター新設のような設備投資より低コストで実現できるため、ぜひ、多くの公共施設に導入してもらいたいと思っています。